相続人が多くて話がまとまらない場合

遺産を相続するためには、まず戸籍収集によって法定相続人を調査したうえで、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

遺産を分割して、預金の引き出しや不動産の名義を変更をするためは

① 遺産の分割内容について相続人全員の同意が必要です。

相続人が増えれば増えるほど、どのように遺産分割の話し合いをするのがよいのか、ということを話し合うだけでも大変多くの時間を必要とします。皆様それぞれに様々な事情の中で生活をされているので、利害が食い違うのは当然のことでもあります。それでも、相続人全員の同意をもって金融機関に出向かなければ、金融機関は一切対応してくれません。

② 相続人全員の遺産分割協議書への押印が必要です。

全員が遺産分割の内容について同意したとしても、その事実だけでは金融機関も法務局も対応してくれません。それらの手続きをするために、遺産分割協議に相続人全員が同意したことを証明しなければならないのです。

その証明となるのが遺産分割協議書で、遺産の分割内容について全員の押印と印鑑証明が必要です。

相続人が多く、しかも遠方にお住まいの相続人がいるような場合は、押印のための書類のやり取りや確認だけでも相当な時間を必要とします。

当事務所の遺産分割サポートサービス

当事務所にご依頼いただければ、相続人の調査から遺産分割協議書の作成、およびその受け渡しを、全てサポートいたしますから、慣れない手続きや書類の準備・作成に振り回されることなく、故人を悼む日々を過ごすことができます。

 ややもすれば感情的になりがちな遺産分割についても、冷静にかつ円満に解決できるよう、第三者である専門家が法的なアドバイスを行います。相続をきっかけにして、相続人どうしがいがみ合う、いわゆる「争族」にならないように、知恵と知識と経験でサポートさせていただきます。

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相続手続き丸ごと代行サービス(遺産整理業務)の料金

相続財産の価値報酬額
500万円以下25万円+消費税
500万円を超え5000万円以下(価額の1.2%+19万円)+消費税
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3億円以上(価額の0.4%+149万円)+消費税

相続人が多くて話がまとまらないケースを解決した事例

Yさんからは、お兄さんの相続手続についてご相談がありました。

Yさんのお兄さんは生涯独身でしたが、高齢になり病気がちとなってからは、Yさんが親身に面倒を見てきました。そんなYさんに対しお兄さんは、生前、「自分の財産は全部Yにあげる」と話していたのですが、特に遺言は残さないまま亡くなりました。

お兄さんには相続人としては、兄弟姉妹が5人と、亡くなった兄弟姉妹の子(甥姪)が6人の合計11人がいました。

Yさんとしては、ある程度お兄さんの財産をもらってもいいのかなと思っていたのでそのことをほかの兄弟姉妹に話したところ、お兄さんと交流があった兄弟は、それなら自分ももらうべきだと主張し始めました。また、甥姪の中にも、遺産をもらうことを期待している人がいるようでした。

Yさんはどのように話をまとめればいいか分からずに、当事務所に相談に来られました。

当事務所のアドバイスとしては、まずは相続財産目録を作成して財産の内容を相続人全員に明らかにした上で、これまでのお兄さんの介護の事情を文章に書いて、それぞれの相続人の希望を聞いてみてはどうかということでした。

当事務所で相続財産目録と相続人あての文書の作成を手伝い、Yさんが各相続人に発送しました。

その結果、ほとんどの相続人はYさんがお兄さんを親身にサポートしてきたことを理解して、財産はいらないと回答してきました。相続人の一人だけはもらえるものはもらいたいとの希望でしたので、その人の法定相続分にあたるお金を分けることで納得してもらえました。